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オートバイの旅日誌(6)アラスカハイウエー(USA) [1-アラスカハイウエー]

オートバイの旅(玉井洋造の旅1976) 日誌


(6)-1976/08/20 アラスカハイウエー(USA)


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1976/08/20  「おはよう」
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 川岸でキャンプする。荷物は全部テントの中に入れ、バイクはメインスタンドを立て、テントと一直線に並べる。こうしておくと、万一バイクがひっくり返しても、下敷きになることはない。
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 次の日、気温は5度ぐらいで寒いが、雲一つない快晴だ。入江の対岸にマッキンレー山が見えた。思わずバイクを停めて写真を撮る。周りの山々は黒くくすんで、一様に低いのだが、真っ白で富士山のように形よくそびえている。入江を囲むようにしてマッキンレーや高い山々が迫っている。なかには氷河を押し流している山もある。素晴らしい。
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 ホマーは漁港で、ツーリスト向けの海産物を売る店もあった。新鮮なエビが買えそうだ。港の一角は、キャンピングカーでいっぱいだった。カフェーに入っていくと、中年女が私の風体を見るなり、カッパとザックをドアの外へ置けと、怒鳴った。
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 一泊もせずにその町を去った。車を追い越そうと、スロットルを全開にするが、100キロ近くなるとエンジンがガタガタ震えだすのだ。2つのシリンダーの一つがミスファイヤーしているらしい。なんとか昨日の川岸にたどり着き、また修理する。ポイントを交換した。
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 そこで4人組のキャンパーと知り合った。彼らは魚釣りに出かけて行ったが、後で40キロもある魚を持ち帰ってきたのにはびっくりした。それもまったく素人のおばさんだ。私も釣り針と糸を持って来ればよかった。
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 22日。さらに寒い朝になって気温は零度。バイクのシートは夜露で薄く凍ってしまっている。日本では今ごろ、最高の暑さを記録している時期なのだが、アラスカの夏はすごいものだ。しかし、バイクの整備を終え走り出す9時ごろには日が昇り、気温もどんどん上がっていった。そうなると、冬の格好では暑いぐらいだ。
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 アンカレジを通過してカナダ国境へ引き返す。バルマの町を過ぎると、また山が迫ってきて、十分に満足できる風景だ。昨日のバイクの整備で十分だと思ったが、この日も回転が上がらなかった。
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 次の日の朝もキャブの分解点検、プラグの交換、ポイントの調整をして走り出す。無料のキャンプ場があったので、便所へ行ったところ、床の上に便器が2つ並んでいて、小さな壁板があるだけだった。そこへ男がやってきて、お互いに「おはよう」といって、世間話をしながら用を足すことになった。
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 アンカレッジからの道もハイウエイに沿って、万年雪を雪を抱いた山々が迫っていた。そしてグレーシャー氷河を見つけた。青い色をしている。大昔、大陸をおおい、谷を削り、地形を変えた氷河の残りとは思えなかった。

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